第2章 二度目のハートはささやかな約束と永遠の(黒尾鉄朗)
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「すげえの付けてんじゃん。何、もしかして俺のため?」
耳元で囁くのは甘ったるい声。
はだけさせられたシフォンブラウスは無造作に、他の衣類と一緒くたになってベッド脇へと落ちていった。
身につけているのはお互い下着だけ。
彼が「すげえの」と称したそれは深紅のレースブラで、フロントのホック部分には白いリボンがあしらわれている。この季節にぴったりの色合い。
サンタカラーに飾りつけられた双丘を五指で包んで、鉄朗が笑みを浮かべた。
「かーわいい」
俺のためか、という問いに答えは不要らしい。
私の答えはイエス一択。
そんなこと分かりきっているといった風に、彼は満足げに目を細める。切長の三白眼のなかに、明らかな情欲が浮かんだ。
包まれたままの乳房が外側から円を描くようにゆっくりと揉みしだかれ、更には敏感なところを親指で擦られる。
まだブラ越しなのに腰が跳ねて、図らずも喉が震えて。漏れる、甲高い啼声。