• テキストサイズ

(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第1章  I (can not) see you.(及川徹)



「っ、本当に出すよ、いいの?」




 ほんの少しだけ残ってた理性で問うてみると、やっぱり彼女は頷いてくれた。

 きゅっと結ばれた唇に噛みつくようなキスをして「──じゃあもう我慢しない」低く囁いてそう告げてから、激しく腰を打ちつける。





「やっ、もう、イッ、ああっ……!」



「おいで、……っ俺も、もう限界」





 彼女が果てて、すぐあとを追うようにして俺が果てた。どくどくと抜け出ていく熱。ぎゅううって抱き合うのが幸せで堪らない。



 今なら言えるかも。

 そう、思ったのに。



 一番伝えたいたった二文字の本音は、やっぱり、言えなかった。








 *








『はァァ?! お前、マジでヘタレかよ及川! もう、あれだなお前!明日からヘタレ川だわ! 俺はそう呼びます!』



「うっさい! 声がデカいし、あと、声がデカい!」



『お前もそこそこ声デケエっての! つーか中出しまでしといて告んねえって、それ逆によろしくないんじゃねーの?』





 電話越し──
 深夜の、ベランダで。

 やいのやいのと喧しく喚いているのはチームメイトの木兎光太郎だった。

/ 84ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp