第1章 I (can not) see you.(及川徹)
「……っ、今日、ナカでいい?」
白々しくも甘やかに問うた。
心の奥底で渦を巻く、醜い本音をひた隠しにして。
「そんなこと、言うの、珍しいね」
彼女のそれは了承なのだろうか。
少なくとも拒絶されてはいないらしいことに、心底安堵する。
断続的につづく快感。
そろそろ本当に限界ってときに、彼女が俺の首に両腕を回してきた。
正常位のまま倒れこんで密着した肌から、トクトクと、駆足の鼓動が伝わってくる。
「っ、私も、……徹の、欲しい」
「…………!!」
ちょっとマジで雷に撃たれたのかと思った。そのくらいの破壊力だった。
どんだけ俺を惚れさせたら気が済むのか、当の本人は俺と繋がったままで色っぽく喘いでいる。
ああ、駄目だ。
もう無理。孕ませたい。
そんなこと言ったらひっぱたかれるかな。でも本音なんだから仕方ない。好きっていう気持ちが募りすぎて頭がおかしくなりそうだ。