第2章 スタートライン
『今行く〜!
お母さん、行ってくるね!』
(ガチャ)
玄関を開けて
インターホンの前に立つ彼に声をかける
『おはよう、飛雄くん〜』
影「おせーよ!間に合わねーだろ!ボケェ」
『ごめんごめん(笑)』
変わらない。
飛雄くんと2人で学校への道を歩く。
飛雄はいつも道路側を歩いてくれる。
長い足を余らせて
わたしに合わせてゆっくり歩いてくれる。
変わらない。
『ねえ、飛雄くん〜?』
急にわたしが顔を覗き込んだからか
飛雄は大袈裟におどろいている。
影「!んだよ急に!?」
顔も少し赤い?気がする
風邪でも引いちゃったかな??
『変わらないっていいね』
影「?…そうだな」
『これからもよろしくね、飛雄くん』
変わらない日常の中で
新しい生活が、今、始まろうとしてる。