第3章 2人の距離3
家に帰ると何やら美味しそうな匂いが漂って居た。
リビングに荷物を置いてキッチンに行くと和さんが何か作っていた。
「あ、お帰り。腹減ったろ」
今日は俺が当番と言って作ったものの説明をする和さん。
聞いているうちにお腹が空いてきた
和さんの作った料理はどれも美味しくて心がじんわりあったかくなった。
お風呂に入りリビングで寛いでいると、髪乾かして〜。と後ろを向いて座ったので、ご飯のお礼。と言ってしっかりブローしてあげた。
「俺このまま仕事行ったら喜ばれるな。」
鏡を覗きながらそう言う和さん。
「和さん寝癖凄いですからね」
朝いつも一緒だと直してあげたくて手がワナワナする時がある。
たまにやってあげるけど私も私で仕事なのでタイミングは少ない。
二宮和也と寝癖はワンセットだから。とニコっと笑って言われたけどフフッと笑って誤魔化しといた。
寝室に移りベッドで2人で横になって携帯を弄っていたら輝さんからさっそく和さん宛てのメールが届いた
輝さんからメール来ましたよ。と和さんに携帯を渡すと私の携帯で返事を返す和さん
「そういえば。どうしてそんな展開に?」
私が聞くと、そーだなー。と言いながら私の携帯を棚に起きぎゅっと抱きしめた。
「ライバルの顔見たかった」
そう言ってフフッと笑う和さんに、もう昔の話ですよ。と返す
「あとはなんとなく面白そうだったから」
多分こっちが本心だろう。
空さんとも面白いと言って知らないうちに何度も飲みに行ってて空ちゃんとか呼んでるし。
「今日は。ありがとうございました」
輝さんの話からそういえば和さんにお礼を言ってないと思い出した。
最初、なんのこと?と言う顔をした和さんは直ぐに輝さんとの電話を思い出し、いえいえ。と笑った
「今日は由梨頑張ったからなー。なんかご褒美あげないとなー。何にしようか?」
そう言ってワザとらしくニヤニヤしていた。
「嵐のライブチケットでもあげようか?」
まだニヤニヤして言う和さんに、遠慮します。と断った。
「それよりも!…ご褒美ならこれ、くれませんか?」
そう言って唇に指を当てた
本当はただキスしたかったから冗談ぽくおねだりしてみた