第3章 2人の距離3
その日、帰り空さんのマネージャーさんに家までついでに送ってもらっていると輝さんから連絡が来た。
出なよ。と空さんがいうのでお言葉に甘えて出た。
「由梨ちゃんさ、もう会う気ないか?」
そう言われヒロトの事だと察する。
拳をぎゅっと握りしめて輝さんの話を聞く
「やっぱりさ、一度ガツンと言ってやってほしいっていうか。ごめんな?由梨ちゃんにとってきつい事言ってると思う。でもさ、ヒロトにもちゃんとわからせてやりたい。ほんとごめん。これでも俺の親友なんだ。」
苦しそうに言う輝さんに私もキュッと苦しくなった。
そして。決心した。
「…どこですか?今から行きます」
輝さんとヒロトの居場所を聞いてマネージャーさんに途中で降ろしてもらった。
すみません。と深々頭を下げると空さんに頭をぽんぽんされた。
「由梨。なんだかわかんないけどあんまり無茶すんなよ。俺らまだまだ現役だろ?」
ベストビジネスパートナーですよね?と笑って返すと、おう!とニヤニヤされた。
空さんには詳しくは話してないけど多分今の雰囲気から色々察したのかなと思った。
心の中でありがとう。とお礼を言って輝さんの所に向かいながら和さんに電話した
割とすぐに出てくれて、ん〜?どうした?と何とも力のないいつもの和さんだった。
「あの、和さん今日はお帰りですか?」
私がそう聞くと、あとちょいかな。巻ければ。と言う和さん
「私、これから輝さんに会いに行くんですけど。あと、ヒロトに。それでちょっと和さんの声聞きたくなっちゃいまして」
私の話に、無理してる?と心配された。
「大丈夫です。私、自惚れても良いですか?…和さんがいるから大丈夫だって」
フフッと笑う和さん。どーぞ。と嬉しそうに言われた
「俺も自惚れてるから。俺がいるから由梨は大丈夫だろって」
笑いながらそう言うのでつられて笑ってしまった。
「会うならさ、ちゃんと怒らないとな。…普段由梨怒らないから」
それが心配。と言う和さん。
そうだっけ?
私怒らないのか。と今更気付く。
「わかりました。出来るだけ努力させていただきます」
よろしくお願いします。と返され、出来るだけ早く帰るよ。と言われて電話を切った。