第3章 2人の距離3
和さんはもう一口飲んだ後に缶を置き、私の持っていた缶もそっと取り上げテーブルに置いた。
そして少し手を広げてみせた
「…きます?」
それはこっちに来ます?と言う意味で。
ハグするしぐさを見せる和さん
素直にそこに飛び込むと優しく抱きとめてくれた。
「一つ言っとくけど。…俺、迷惑かけられてないからね?」
その言葉に何故だか涙が溢れた。
濡れちゃいます。と身体を離そうとすると、着替えるから別に良い。と言う和さん。
和さんの優しさに溺れてしまいそうだ。
暫くして泣き止み離れて和さんの引き出しからシャツを持ってくるとそれに着替えた。
私が濡らしてしまったシャツを洗濯に持って行こうとしたら引き止められた
「そんなん良いからさ。とりあえず座んなよ。ほい」
そう言ってチューハイを渡されたので受け取りクイッと飲む。
それを見てフフッと笑いおつまみの感想を言われた。
これが一番美味いだとか、これはもうちょい辛い方が良いとか。
あまりにも普通に接してきたから私もいつも通りに和さんと過ごすことができた。
結構飲んでしまったので後片付けもそこそこにしてベッドに潜り込むと和さんもドサッとベッドに寝転がったのでそっと布団をかけてあげる。
おいでと手を広げてきたのでまた同じように飛び込むとフフッと笑っていた。
暫くくっ付いていたら、また気づいてしまった。
男性特有のあれ。
最近はそれがしょっ中でなにも言えない私は気づかないふり。
でも多分気づいてるよねと思っている。
今日は何時もよりちょっと激しめだったので自然に、ごくごく自然に。下半身だけを隙間を空けた。
「ん…ごめん」
謝る和さん。
ばれてたみたい。
私こそすみません。と謝ると、いーのよ。別に。と言われた。
でも正直。
今よりもう少し進展させたい気持ちがある。
前にも言った通り、足りないと思ってる。
意を決して今日は言ってみよう。
そう思った。
「あ、の。…和さん。私、どこまで出来るかわからないけど。」
ダメですか?と言うと和さんはう〜ん。と考え込んでいた。
「ちゃんと我慢しないで言える?…怖いとか。嫌だとか。」
心配そうに私を見つめる和さんにそっとキスしてはい。と答えた。