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2人の距離

第3章 2人の距離3



「なんでわからない訳?…まぁ、いいや。とりあえず行こう。こんな所でこんな事したくないし。」
そう言って私にズンズン近づき思い切り腕を掴まれた

「いった、い…」
腕を掴む手は余りにも強くて激痛だった。

それと同時に過去の記憶が蘇る
身体は震えだしもういうことを聞かない状態。

「…おい。まじでやめろって」
そんな時ヒロトの背後に立ってヒロトを引き剥がしてくれたのは輝さんだった。


「おまっ!なんで!…まさか、お前なの?由梨の」
輝さんを睨み付けるヒロト

「は?ちげーよ。大体それ昔の話だろーが。俺はお前迎えにきたんだよ」
そう言って私の前に立ち、大丈夫か?と聞かれたので、はい。と答える

さっき、電話をして切ったのは輝さん。
最近は時間が合えばたまにここら辺でヒロトを探してるって聞いて居たので咄嗟に連絡してしまった。

「本当?…あー。まあいっか。彼氏迎えに来たんだろ?そっちに話聞いて貰って」
そう言って私から視線を外し違う方を見る。
私もそっちに視線を移すと見覚えのある車がちょっと離れた位置に止まっていた。
そして私が見つけたことを知るとおいでおいでと手招きをする。

「また連絡するから。とりあえずこいつ連れて帰るからさ」
そう言ってヒロトをがっちりホールドして引きずる輝さん。
ヒロトは舌打ちだけし、それ以上は抵抗していなかった。

ふぅ。とため息を尽き車まで足早に向かう。
そして後部座席に乗り込むと、とりあえず病院だな。と言うのでそれを断った

「…病院は大丈夫です。湿布とかでなんとかなります。」
私が頑なに言うと、分かったと自宅まで走らせた

さっき通話状態にしていたのは和さん
迷惑はかけたくなかったけど後で1人で帰るのはとてもじゃないけど出来なかった



家に帰り直ぐにシャワーを浴びた
鏡を見ると腕にくっきり手の跡が残っていた
腕を動かし明日の仕事に支障がないか調べた

ちょっと痛いけど大丈夫そう



お風呂から上がると和さんが腕に湿布を貼ってくれて髪まで乾かしてくれた
一通り終えると隣に座り缶チューハイを渡された

「とりあえず、飲みますか」
そう言ってストックで和さんにと作っておいたつまみを頬張り美味しそうにチューハイを一口飲んだ

「和さん。ご迷惑おかけしました。…ありがとう」
最後ちょっと泣きそうになったのを我慢してお礼を言った
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