第3章 2人の距離3
まだ少し布団の中が冷たい。
少し身震いするとニノさんはよしよしと背中を撫でていた。
「ニノさんも帰ってきたばっかですか?」
ニノさんは目を瞑りながらうん。と答える
お疲れ様です。と言うと由梨もね。と返された。
そして少し目が覚めてしまったのか今度は私の頭に顎を乗せてカクカクと動かし始めた。
距離はほとんどゼロに近くてちょっとドキドキしてしまう。
「由梨〜。…もうちょいきつめに抱きしめてくんない?」
更にはそんな事を言われよりドキドキしているとクフフッと笑われた
それでもおずおずと軽く抱きしめていた手をしっかり背中まで回しギュっとすると抱きとめる様にぎゅーっと抱きしめていた腕の力を強くしたニノさん
「由梨今日は何時から?」
明日です。と答えると夜食事に誘われた。
「最近家ばっかだもんな。俺はそれの方が好き勝手出来るから好きなんだけどね。」
ニノさんは今日はまだ仕事が少し残っているらしい。
なので食事の誘いは断った。
「疲れてるんですから。何か作りますよ?…それに、私も家でゆっくりするの好きですから」
基本的に仕事関連でしか自分発進で外出しない私。
ニノさんと過ごしてからニノさんも同じ考えなのだなと少しわかってきていた。
そして今の食事のお誘いはちょっと無理していることも何となくわかっていた。
私の言葉を聞くとニノさんはフフッと笑い、あーそう?とちょっと嬉しそうだった。
「そういえば。楓さんのこと。すみませんでした。」
思い出しそう言うと、いーえ。と返してきた
「…でも俺さ。そんな風に見えんのかね?機能しないとか初めて言われたわ」
思い出したのかフフフッと笑うニノさん
「どうしてそこまで話が発展してしまったのか。ほんと申し訳ないです」
男としてはきっときつい言葉だっただろう。
本当に申し訳なく思って言ったのにニノさんは笑っていた。
「いや、いーんだよ。別に怒ってないし。…まぁ、でもね?由梨にまでそんな事思われちゃうのはちょっとね。」
そう言って少し身体を離して私を見つめるニノさん
少しだけ何時もと違う気がした。
「…あんまり怖がんないで聞いてくれる?」
そう言うニノさんは少し不安そうだった。