第2章 2人の距離2
朝目が覚めると当然ニノさんは目の前にいてそれはそれは気持ち良さそうに眠っていた。
そっとベッドを抜け出し軽い朝食とコーヒーを入れているとニノさんが起きてきた
はよー。と言いながら寝癖だらけの頭をガシガシと片手でしてソファでボーッしているニノさんに入れたてのコーヒーを渡した。
「一応軽めの朝食ありますけど食べます?」
「んー。…軽め度合いによる」
欠伸をしながら言うニノさんにメニューを言うと食べると言うので目の前に置くとゆっくり食べ始めた。
私はそんなにゆっくりしていられないので早々に済ませてパタパタと動いていると、もう出んの?と聞いてきたのではいと答えるとゆっくり立ち上がり着替えようとしていた。
慌てて私は引き出しにしまってある合鍵をニノさんに渡した。
「まだ時間あるなら急がなくて大丈夫です。これで閉めといて下さい」
そう言うとちょっと驚いた顔をしていた。
「えっ。…あー、そう。わかった」
鍵を受け取り座り直してコーヒーを飲むニノさん。
それを見て荷物を持って玄関へ行くと行ってらっしゃーい。とリビングから聞こえ思わず笑ってしまった。
「フフッ。…行ってきます。」
現場に向かいながら昨日の事を思い返してみた。
良く考えたら中々可笑しな体験だった。
完全にニノさんのペースに巻き込まれてしまった形だけど私も癒されたので文句はない。
その日は何時もより調子が良く仕事もスムーズで空さんにもご機嫌だねと言われる始末
撮影も巻いて早めに終えれたので空さんにご飯に誘われて一緒に食べているとニノさんから連絡が来た。
そういえば昨日教えたなと思いながら空さんの前で電話に出ると
「あれ。由梨もう飯食ってる?」
どうやら他の人もいて久々にみんなが私と会いたいと連絡して来たらしい
「すみません。今空さんと食事に来てて。」
そっか。と言われ電話を切ると空さんがニヤニヤしていた。
「なるほどね〜。由梨がご機嫌な理由がわかった気がする」
なんのことだろうと思い首を傾げると
「またまた。新しい男できたんだろ?隅に置けねえな。」
ハハッと笑いながらウーロンハイをクイッと飲む空さんに否定した。