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2人の距離

第2章 2人の距離2



「お久しぶりです!」
深々と一礼するといいから座りなよと楓さんの隣の席に促す雪乃さん。

どういうことなのかと楓さんに目で訴えるとフフッと誇らしげに笑っていた。
「ねえ由梨。そろそろ仕事再開しない?」
私が座るなりそう言った楓さん。

へ?と返すと雪乃さんのマネージャーが説明してくれた。

「最近うちの雪乃もお陰様で忙しくなり始めているのでこの機会に専属をつけたいなと思っているんですよ」
マネージャーさんの話を聞きながら雪乃さんを見ると優しく笑いながら私を見つめていた

「もうそろそろ落ち着いても良いんじゃない?由梨も雪乃くんとならやれそうでしょ?」
確かに今までの様に動くより専属になる方がいくらか楽だ。
楓さんは私の今までの出来事を踏まえて言ってくれていた。

「俺は大歓迎だけど。由梨ちゃんさえ良ければ」
みんなが私を見つめる。

もう覚悟を決めるしかないと思った。



「よろしくお願いします。」
ぺこっと頭を下げると何故がいえーいと楓さんと雪乃さんが軽くハイタッチしていた。


こうして。私の引きこもり生活が終わった。




その後打ち合わせを兼ねて雪乃さんとマネージャーと飲みに行くことになった。
楓さんは仕事だったので泣く泣く別れた



「目指そうな!ベストビジネスパートナー!」
お酒もそこそこ入ってきた時に雪乃さんがそんなことを言い出した

なんだそれとマネージャーは引き目で見ていたがその言葉が嬉しくて話に乗った

「そうですね!やってやりましょう!ベストビジネスパートナー」
この時から私は雪乃さんを空さんと呼ぶ様になっていた






空さんとの仕事は以前の引きこもり生活が勿体無く感じてしまうくらい楽しかった

私も時間に余裕が出来て控え室でゲームしたり、動画見たり
空さんの控え室がすごく居心地が良かった

空さんは俳優業もしているので他のアーティストよりもそれなりに忙しい
今まではアーティスト色が強い部分もあったが今は俳優業も力を入れているみたいで私もメイクのしがいがありとても楽しかった


「私おもったんです。…一度メイクから離れて雪乃さんの専属に戻ってきた今が一番生きてるって感じします」
専属になってから2度目の飲みで言ったこと

空さんには一通り何があったかを話していたのでそれだけでなんとなく理解してくれた
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