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2人の距離

第1章 2人の距離





「雪乃さん。ほんとお世話になりました。」
休み明けの一発目は雪乃さんのヘアメイクだった。
すみませんでした。と伝えると心配そうな顔をされた。

「由梨ちゃんほんと大丈夫?ま、でも前よりは顔色もマシになったけど。」
雪乃さんは楓さんに勝手に言って悪かったと言ったが逆にとても感謝してますと答えた


「私ね、妊娠してたんですよ。」
雪乃さんには一番に伝えなければと思っていた。
だって元気になるきっかけをくれた人だから

目を見開き鏡ごしに私を凝視する雪乃さん。
その顔が面白すぎて思わず吹き出してしまった。

「え?!…いや!笑い事じゃないからっ!!…あー。そっか。おめでとう、だよね?」
そうです。おめでとうで大丈夫です。と言うとちょっと悔しそうにしていた。

「なんだ〜。俺由梨ちゃんの専属諦めてなかったのにさー。」
いっその事子連れヘアメイクしろよと冗談なのか本気なのか分からない事を言うので適当に返しといた。




あれから携帯も早々に代えて新たな人生を歩む事になった。
楓さんの家には二週間ほどの滞在で直ぐに新しいマンションを借りて引っ越した。


今日は久々に嵐さんの仕事。
楓さんが一緒だ。


楓さんと一緒ならきっと笑顔で伝えられる。
そう思った。



「すごい懐かしいな。このメンバー。」
そう言って感慨深げに言う松本さん。

「今じゃレアよ〜。私と由梨なんて」
松本さんのメイクを仕上げながら嬉しそうに言う楓さん。

隣で私にメイクされてる櫻井さんがだな。と楓さんに同調した。
「そういえばね。由梨から近況があるのよ。」
ね?と私にウインクする楓さん。
私が言いづらいのが分かっていたのか話を振ってくれた。

「え?なになに〜?」
後ろからメイクを終えた相葉さんが気になったのか聞いてきた。

「私、妊娠したんです。」
もう早く言ってしまおうと簡潔にサクッと報告するとえぇー!!と全員合わせたかのように同じ反応で返ってきた。

「まじで!おめでとう!」
櫻井さんが握手を求めてきたのでメイクを中断しそれに応じた

その後は質問攻めにあった。
いつ産まれるのか。
性別はどっちか。
仕事は辞めてしまうのか。

どれもこれも笑顔で対応したが、一つ気になったのはニノさんはあんまり話題に入ってこなかったこと。



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