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2人の距離

第1章 2人の距離



それからは出来るだけ音楽系や特番などの仕事はしない様にした。

今の弱った心でまたあの目で見られたら今度は抵抗できないかもしれない。

そう思った。



ヒロトは相変わらずで私は気づいたらあまり食事も喉に通らない様になっていた。

そして流石にヤバいと思い連休を取って寝ていたら一本の連絡がきた。
それは楓さんで今から会わないかと言われた。


私も楓さんに会いたい。
会ってまた抱きしめてもらいたい。

ニノさんに抱きしめられるのと違って楓さんに抱きしめられると元気が出る様な気がする。





個室のカフェで楓さんと会うと開口一番に怒られた。


「由梨!!あんたなにやってんのよ!それ!」
そう言って私を指差すけど何を仕出かしたのかよくわからない。
実際今来たばかりだし、楓さんに失礼なことは何もしていないはず。

何がですか?と素直に聞くとはぁぁ。と溜息をつかれた。

「心配してたわよ。雪乃くん。」
ますますよくわからなくて首を傾げると

「由梨。私言ったわよね?頑張りすぎると身を滅ぼすわよ。」
確かに言われたことがある。
そして実際今は休暇中だ。
その事を楓さんに伝えると少し驚いていた。

「由梨。…もしかして。病気?」
「はい?」
突拍子も無い事を言われて思わず返すと鏡を取り出してよく見なさいと渡される。

「生気ないし、痩せちゃってるし。…もう。どこまで心配させれば気がすむのよ」
そう言ってハンカチを目に当て涙を拭う楓さんを横目に鏡に映る自分を見た。


確かに前よりは痩せていて顔色も悪い。

「確かに。…最近あんまり食べれてなくって。だからですかね?生理止まったのも」
私の言葉にギョッとして固まる楓さん。
そして急に立ち上がりちょっと待ってなさいと言って席を外した。


なんなんだ。
楓さん忙しいな。
そんな呑気な事を考えていたら息を切らして戻って来た


「ほらっ!これ!今すぐやってみなさい!」
そう言って渡されたのは妊娠検査薬だった。

少しフリーズし改めて確認を入れる
「…えっと。これは…。」

「いいからっ!とっとと行ってこい!!」
私を無理やりトイレに引きずり込む楓さん
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