白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第8章 ★誠凛猫騒ぎ(誠凛)★
日向『マジか』
黒子『信じられないでしょうがそうなんです』
『ニャッ!』
すると猫は鞄から飛び出すと、黒子の足にスリスリと体を擦り寄せる
黒子『零蘭さん、大人しくしてなきゃダメですよ』
ヒョイっと持ち上げ腕に抱えると、猫は大人しく腕に収まった
日向『100歩譲って信じるとすると、何でこうなった?お前何か知ってんのか?』
黒子『えっと...朝から、こんな、感じで...僕は、知りません』
スーっと顔をそらしていく黒子の頭を日向はガシッと掴む
日向『黒子、ちゃんと目を見て言いなさい?(黒笑)』
黒子『いっ!!』
ギリギリと音をたてる程に力をいれていると、突然腕の中の猫が立ち上がり、バシッと日向の腕を叩いた
日向『いって!』
『ニャ、ニャ!』
すると猫は、何かを訴えるように鳴き始め、黒子を庇っているように見えた
木吉『えっと、白崎。もしかして黒子を責めないでくれって言ってるのか?』
木吉の問いにコクンと頷く猫に一同は驚いた
小金井『こいつ、今木吉の言葉に頷いた!!』
リコ『もしかして、言葉が分かるの?』
黒子『み、みたいです。喋れませんが、こちらの言ってることは分かるみたいです。試しに皆さんの写真を見せて、誰が誰か質問したんですけど、全て合ってました』
痛む頭を押さえながら黒子が答えると、更に驚きの声をあげた
火神『てことは、本当に零蘭か?』
『ニャン!』
木吉『お~!そうだって答えてるな』
リコ『....分かったわ。とりあえず信じるけど、理由はちゃんと聞かせてくれるわね、黒子くん』
黒子『はい...』
始まりは古本屋で奇妙な魔術の本を手にした時
そこには人の姿を変えるための薬の生成方などが書かれており、どうせ何かのファンタジー本に出てくる魔法紹介本のようなものだろう、と全く信じていなかったが、内容自体は面白かったので買って帰ったらしい
見ていくうちに、人を猫化させる魔術のページを見つけた黒子の頭に浮かんだのが、零蘭だった。彼女が猫化すればどんなに可愛いだろう
材料も苦労する物ではなかったため、遊び半分で作り始めた。それは、飴サイズの綺麗な色として完成し、翌日それを零蘭に言葉巧みに口にさせたのだ
どうやら味に関しては問題なかったようで一安心の黒子だったが