白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第7章 ★溢れる思い(氷室)★
そんな姿に興奮で背をゾクッと走らせながらも、わずかな心配が頭をよぎる
氷室『そんな無防備だと俺は心配だ。君が、知らないやつに襲われでもしたら....俺は』
『はぁっ...///ん、大丈夫よ?私がこんなにも委ねるのは私が愛する人達の前だけだから』
氷室『...タイガの前でも、か?』
その瞬間彼女の瞳が妖しい光を放ちながら俺を見つめる。あぁ、きっと見透かされている。俺が何に心を囚われているか
『...そうよ。彼も貴方も私にとって大事な人だから。ごめん...ごめんね』
俺の頬に手を添え、ゆっくりと撫でられる。その手に自分の手を重ねると、そっと手のひらに口づける
くすぐったそうに微笑むレイラを思いをぶつけるように強く抱き締めると、耳元で囁かれる
『辰也、大丈夫。貴方は強いわ...自信を持って。私は今のままでも好きだけど、どんな貴方でも好きなのよ?貴方が私から離れていかない内は、私は貴方のもの』
甘く脳を揺さぶる言葉。それはまるで毒のように侵食して俺を狂わせていく
氷室『俺が今どんな感情を抱えていても愛してくれるかい?』
『えぇ...勿論。だからね、
ず~っと私に囚われていて』
耳を掠める吐息に思わず体が震えてしまう
するとそんな反応に彼女は笑ったような気がして、顔を覗き込もうとしたが、後頭部を軽く押さえられた為叶わなかった
氷室『レイラ...?っ....!』
突然彼女は俺の首筋に唇を滑らせると、歯を立てて噛みつかれた
それは甘噛みだったが、それだけで体から力が抜け落ちてしまった
『ふふっ...無防備』
氷室『っ...さっきのお返しかな?』
『そうよ。ここを、私以外に噛みつかれてはダメよ』
氷室『俺の首を噛むなんて、君しかしないしさせないよ』
『良い子ね...さぁ、少し眠りなさい。今日はとても疲れたでしょう』
氷室『...ん...眠っても、側に、いて、くれる、かい....?』
眠い...瞼が重くなって、彼女の声も遠く聞こえくる
『側にいるわ。お家には連絡してあげる。だから今はゆっくりとおやすみなさい』
頭を撫でられる感触が更に眠気を誘い、俺の意識は完全に途絶えていった