白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第6章 ★女王の秘密(緑間)★
床に倒れたままピクリとも動かないクラスメイト達が眼前に広がる光景に俺達は身の毛がよだった
あの赤司でさえも信じられないと言わんばかりの表情だ
『ビックリしちゃったよ。でもきっと疲れてたのね...起こすのも可哀想だし寝かせてあげようよ』
何を...言っている...?
明らかに零蘭が何かをしたというのは分かっている。発言もおかしいことばかりだ
恐らく俺たちが聞いた物音はこいつらが倒れた音だ
だが、何をどうしたら同年代の男を一瞬にして地に伏せられる?
見たところ争った跡がない....互いに服の乱れもなく本当に突然眠りについたようだ
冷や汗が背中を伝い、今自分が抱き締めている彼女が途端に恐ろしく感じた
だが何をしたなど聞けるような度量は俺たちにはなかった。彼女がいつもと変わらない笑みでいるのに、まるで"何も聞くな"と言わんばかりの殺気を感じたからだ
緑間『....分かった...なら早く部活に行こう』
赤司『零蘭、おいで』
抱き締めていた腕を解くと、呼び掛けた赤司の方へ駆けて行く零蘭の背を追いかけるように、あの異常な光景に背を向け、そっと扉を閉めた
『おやすみなさい...良き悪夢を見てね』
その後部活を終え、いつもの零蘭を送るやつを決めるじゃんけんが始まった
赤司『今日俺はやめておくよ』
青峰『なんでだよ?』
赤司『実は父から連絡が来ていてね。部活が終わり次第すぐ帰るように言われたんだ』
緑間『赤司...』
赤司『本当だよ...確かに恐ろしいが、それで俺達の愛は変わらない、だろ?』
緑間『あぁ...』
赤司の抜けたメンバーでのじゃんけんの結果は俺の勝利で終わった。いつも人事を尽くしている結果だ...
『決まった?』
緑間『今決まった。今日は俺だ』
『そっか♪じゃあ、みんなまた明日ね。いこ、真太郎』
颯爽と俺の手を掴み体育館から連れ出される
なんだ...?何かに焦っているような気がする
その手が僅かに震えている事に違和感を覚えながら導かれるように歩いていった
緑間『零蘭?玄関はそっちではないのだよ』
『うん...分かってる。でも着いてきて欲しいの』