白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第6章 ★女王の秘密(緑間)★
たかが荷物を置くだけだ。すぐに出てくるはずなのに一向に出てこない
緑間『赤司、行くぞ。後で零蘭に何を言われようと構わん』
赤司『分かった』
待っていられない...零蘭に何かあってからでは遅い
これで何もなくても安心できればそれでいい
そう思いながら足早に資料室へと向かう
すると、資料室からドタドタと物凄い音が聞こえ緊張が走った
まさか....
思わず赤司の方を向くと、奴も同じことを思ったのか一斉に俺たちは走り出した
くそっ....零蘭っ!間に合ってくれ!
ただのその思いだけで資料室にたどり着くと、ドアを開けようと手をかけたが、何故か固く閉ざされて開かない
緑間『鍵がかかっている...!』
赤司『零蘭っ!』
俺達の頭に最悪の展開が過る
必死にドアを叩き呼び掛ける。すると部屋の向こうからガチャっと音がしたかと思うと、ガラッとドアが開いた
そこから顔を出したのは
『あれ、真太郎に征十郎?どうしてここにいるの?』
赤司『零、蘭?』
緑間『何もされてないか!?』
『うん、何もなかったけど....?』
緑間『っ....良かった』
小さく首を傾げる零蘭を強く抱き締める
本当に、良かった....
『ど、どうしたの真太郎』
赤司『まったく...遅かったから心配したよ』
『心配しすぎだよ、もう...先に行っててって言ったのに』
ムゥと頬を膨らませる零蘭をさらに強く抱き締める
俺の腕にすっぽりと収まってしまう華奢な体から伝わる温もりが愛おしい....
この熱を失いたくない....
零蘭を抱き締めているのに夢中で、部屋の中の光景に気がつくのが遅れた
緑間『なっ.....!?』
赤司『これは...!?』
そこに広がっていた光景は目を疑うようなものだった
『あぁ...この人達ね?なんか資料室で作業してたらしくて、ちょっとお話ししてたの。そうしたらね?急に倒れちゃったの』
そこにはあの時話をしていた奴等が、全員まるで何かに襲われた後のように、床に倒れていた