白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第6章 ★女王の秘密(緑間)★
零蘭のために奴の意図をしっかり汲み取って、第一に奴の事を考えられる者にしか、零蘭は愛してくれない
せいぜい、触れられないことを嘆いていればいい。自分達には一生叶うことのないのだから
フツフツと込み上げてくる苛立ちの炎を燃え上がらせていると、廊下の向こうから女子たちの声が聞こえてきた。恐らく零蘭達だろう...それに気づいた奴等は先程までの会話をしなくなり、一気に黙り混んだ
やがて教室に零蘭を中心とした女子のグループが入ってきた
だが、何度見ても彼女だけは別格に美しい....入ってくる瞬間でさえもまるで一人だけスポットライトを浴びているかのような輝きがある
その女子達に向けられている笑顔が、その頭を撫でている手が、自分に向けてくれたらどんなに幸せか...
などと考えていると先程の怒りが彼女への愛しさで上書きされていくようだ
余談だが、彼女の制服は珍しいタイプの方だ。通常多くの女子はブルーのシャツに白ニットが殆どだ
だが、彼女は校内でも少ししかいないブルーのシャツに俺たちが着ているような白ブレザーなのだ
"だってブレザーってなんかカッコいいじゃん!"
前に何故ブレザーなんだ?と聞いたとき、こう答えていた事を思い出した
単純な理由だったが、愛らしかったので良しとしよう
そんな彼女はブレザーのボタンは止めずに開けっ放しにしている。胸が少し窮屈になるとの理由だ。それがあるのか、シャツのボタンも少し開けている
決して胸の谷間が見えるとかそこまで過激ではない、至って普通だ。だが、そのせいで彼女の白い首筋と鎖骨がチラッと覗く
スカートも規定通りの長さにしてあるものの、そこから伸びるスラッとした細く長い足がいつも見える状態にある
制服でも興奮するのは恐らくそれらが原因だろう
『真太郎♪』
気がつけば俺の横には零蘭が立っていた。女子たちとの会話は終わったのだろう、奴等もすでに自分達の席へと戻っていた。いつもと変わらない笑みを浮かべる彼女に俺は笑みを返した
緑間『どうした?零蘭』
『難し~顔してたから気になっちゃって』
緑間『お前の気にすることでないのだよ。単なる考え事だ』
『ふふっ、そっか』