白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第5章 ★影の恋はオレンジ味(黒子)★
残された僕は、彼女の手招きにまるで吸い込まれていくようにロッカールームへと入っていった。隣接されているベンチに腰かける彼女を見下ろしながら、僕は先程から疑問に思っていたことをぶつけてみた
黒子『聞いてもいいですか?』
『なぁに?』
黒子『さっきの言葉通りなら、貴女と主将はお付き合いをされていないということですか?』
『ん~...私ね、付き合ってるとか、彼氏彼女とか言う関係、余り好きじゃないのよね。何だか縛られている感じがして。恋人...の一人が一番近いわね。言ったでしょう?秘密の関係って』
黒子『恋人の一人?ということは他にも誰かいるんですか?』
『...知りたい?』
黒子『はい....』
『教えてあげないわ、意地悪だから』
黒子『っ....』
クスクスとからかうように笑う彼女に、なにか気でも触れたのか、気がつけば目の前に座る彼女をベンチにの上に押し倒し、更にはその上から跨がっていた
頭の中では様々な感情と思考が入り乱れていた
恋人の一人とはどういうことなんですか?
主将だけじゃなく他にもさっきのようなことをしてる人がいるんですか?
それは果たして良いことなんですか?いや、これは肯定されるものじゃないはずです
でも、だったら僕にもまだチャンスはありますよね
貴女が欲しい、貴女が欲しい、貴女が欲しい
『驚いたわ、貴方随分大胆なことをするのね』
彼女の言葉に今自分が何をしたのかようやく気がついた僕は、すぐに彼女から離れようとした
黒子『っ、すいません!すぐどきます!』
『待って....いいわよ、そのままで』
グッと背中に片腕が回され、押さえ込まれて僕は逃れることができなくなった
『それにしても貴方って本当に面白いのね。欲とは無縁そうな顔してるのに、今の貴方は私に対するギラギラの欲望の炎が渦巻いてる』
心の底を見透かされそうな二つの橙色の瞳が僕を射ぬく。いや、もう見透かされている...この僕の心は
『気分が良いから特別に教えてあげる。私はさっきの彼以外に、一年レギュラーの彼等とも同じ関係なのよ』
黒子『それはつまり...』
『世間的に言えばこれは浮気になるのかしら...?でも私達は彼氏彼女とかいう生ぬるい枠じゃないから』