白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第5章 ★影の恋はオレンジ味(黒子)★
その後、無事に一軍へと昇格することのできた僕は、気合いをいれて練習に参加したものの、三軍とは別格のハードな内容に、何度も吐いては死にかけていました
そんなときにも、真っ先に駆けつけてくれたのが零蘭さんでした。こんなひよっこで足を引っ張ってばかりの僕に優しく声をかけてくれて、励まし、アドバイスしてくれました
『でも君はとても特殊な選手ね...普通の選手よりも特異な才能を持ってるから、全く未来が予想できないわ』
そう言って楽しそうにメニューを考える姿に愛おしさを覚え、僕は幸せでした
ですが、彼女が僕に向ける感情は、まだ只の選手を支えるマネージャーでしかありません
僕の気持ちに気づいてほしい...でも告白したところで受け入れられるわけがない。更にそれが影響して今の関係が崩れる方がもっと辛い
?『白崎っ、俺ずっとお前の事好きだったんだ。試しでもいいから、付き合ってくれないか///?』
あぁ、なんて所に居合わせてしまったんでしょう....よりによって好きな人が告白されている。胸が苦しくなって、思わず物陰に隠れる
『...ごめんなさい、貴方とは友達でいたいから』
?『そうか...分かった』
フラれたという場面なのにホッとしている自分がいる。彼女が知らない誰かのものになるなんて考えただけでもどうにかなってしまいそうでした
その後、部活のため体育館に向かうと、何故か既にそこに彼女が準備を始めていて、主将と話をしている姿がありました。まるで何事もなかったかのように
虹村『よし、今日の練習は終わりだ!しっかり水分とれよ!』
主将のかけ声で練習の手が止まると、一気に疲れが僕の体を蝕んでいく。汗がとめどなく溢れてその場で座り込んでしまう。それに気づいた青峰くんが声をかけてくれた
青峰『おいテツ、大丈夫かよ?』
黒子『すみま、せん。体力がなくて....』
青峰『そこにいろよ、零蘭にドリンク持ってきてもらおうぜ。おい、零蘭~!!』
『ん?なーに?』
青峰『わりぃけどテツと俺の分持ってきてくんねぇか?』
『あぁなるほど。分かった!ちょっと待ってて~』
僕が動けないことを察したのか、零蘭さんは僕と青峰くんの分を抱えて急いでこっちに来てくれました