白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第5章 ★影の恋はオレンジ味(黒子)★
[黒子テツヤ]
僕があの人に会ったのは
中学の時、ようやく自分に出来ることが分かってきて、それを試すために一軍のコートに足を踏み入れたときでした
赤司くんに試合形式で見て欲しいとお願いして、それを受理されたので準備に取りかかろうとした時、ふと体育館の奥で壁に背中を預けながら、選手達を見つめノートに書き込む姿。
時折ペンを唇に当てて考え込む仕草でさえ美しく、同時に恐ろしいと思った。
彼女の美しさが異常に思え、遠く離れた今でさえこんなにも恐ろしいのに、もし近くで話したらどうなってしまうのだろう。
赤司『黒子くん?』
黒子『っ、あ、すいません』
赤司『...あぁ。彼女の事かい?ウチのマネージャーだ。綺麗だろう?』
黒子『はい、とても...』
赤司『少し話すかい?』
黒子『え、いえっ....あ、赤司くん!?』
赤司くんは僕の言葉を聞かず、彼女の元へ行き一言二言話すと、彼女を連れて僕のところへ戻ってきました。
『初めまして黒子くん。私は一軍マネージャーの白崎零蘭よ』
黒子『あ....え、と。僕は、黒子...テツヤです...』
『ふぅん...貴方が』
ズイッと顔を近づけられ、その美しさがより目の当たりになった。新しい玩具を見つけた子供のように目を輝かせながら僕を見つめたあの表情を、僕は忘れることができませんでした。
黒子『き、綺麗ですね...///』
『...!?あら、ありがとう...嬉しいわ。じゃあ、試合頑張ってね黒子テツヤくん』
そう言って背を向け、また元の場所へ戻っていく姿にさえ見とれてしまい、暫く動悸が治まりませんでした。
赤司『彼に興味がおありかい?零蘭』
『ふふっ、彼とても面白いものを持ってるのね...楽しみだわ♪』
赤司『俺の事も忘れないで欲しいな』
『あら嫉妬?でも彼を紹介したのは貴方でしょう?赤司くん』
赤司『名前で呼んで欲しいと言った筈だよ』
『まだ..貴方を名前で呼ぶにはまだ..ふふっ』
赤司『君は本当に困った人だ..』