白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第4章 ★「待て」だけじゃ(黄瀬)★
『ん...』
黄瀬『はっ...うっ...』
『...涼太、ココ?』
黄瀬『っあ...そこっ、す...んっ』
『固い...すぐ良くしてあげる...ん』
黄瀬『あっ、零蘭っち...凄い、上手いっ』
『気持ちいい?』
黄瀬『ん..良いっすよ...はぁっ...』
笠松『おい』
黄瀬『なん、すか..?』
笠松『何が、なんすか?だ!部活中に変な声出してんじゃねぇ!!』
黄瀬『ぎゃっ!!蹴らないでくださいよ!ただマッサージされてただけじゃないっすか!』
うん私もマッサージのつもりだったんだけど、確かに声だけ聞いてりゃ思春期の男達にはきついか。帝光や誠凛だとみんな慣れてたから何も言われなかったけど
『はいおしまい、これで動きやすくなった筈よ』
黄瀬『ありがとう零蘭っち♪うわ、ホントだ足が軽いっす!』
笠松『そりゃ良かったな。だが今度は気をつけろ、お前らのやり取りで白崎に対して変な事考える奴が出ても文句言えねぇぞ』
黄瀬『...あ?』
その時、聞いたことないくらい低い涼太の呟きが耳に届く。思わず彼を見ると、冷えきった鋭い瞳が横目でこちらを少し興奮気味で見てくる何人かに向けられていた
笠松『黄瀬?』
黄瀬『...ダメっすよ!零蘭っちは渡さないっす!』
さっきのアレは何だったの...?ビックリするぐらい怒気を孕んでいた声に鳥肌がたった。でも今の涼太はいつもの明るい彼に戻ってる
笠松『おら足良くなったんならさっさと戻んぞ!』
黄瀬『了解っす、零蘭っち見てて!カッコ良いところいっぱい見せるから♪』
コートに戻りながら手をブンブン振る可愛い駄犬に軽く手を振り返し、私は練習を見守りつつ気付いたことをメモし始めた。
武内『久しぶりだな』
監督である武内さんがドカッと隣に腰を下ろす。
『あら、監督さん。お久しぶりです、今日はお邪魔しています』
武内『構わん、君がいることで黄瀬のコンディションはいつもより良い。周りもそれにつられて良くなっている』
『なら良かったです』
武内『それに、先日誠凛をナメていた詫びでもある』
『お気になさらず。結果的に勝てたので♪』
武内『ふ、言うな。時に我が海常をどう見る?』