白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第4章 ★「待て」だけじゃ(黄瀬)★
あぁ、女性が苦手だってのすっかり忘れてたわ。いけないいけない。
『ごめんなさい、もう少し離れますね』
笠松『いや、離れなくていい!こっちこそ、すまん。え、と、きょ、今日は来てくれてありがとう..正直ウチはマネージャーいなk』
黄瀬『自分達でやってるんすよ。だから今日は零蘭っちが来てくれて超嬉しいっす♪まぁ、俺は普通に会いたかっただけなんすけどね♪っげふ!!』
満面の笑顔の涼太の頭を突然笠松さんがスパンッと叩く。
笠松『このアホ!なんで俺の台詞と被せてんだ黄瀬ぇ!』
黄瀬『痛ったいっすよ笠松先輩!!先輩が喋り辛そうだから代わりに言ったのに!!』
笠松『余計なお世話だ!!』
『..っくく、あははっ♪』
『『!?』』
『あぁごめんなさい。二人のやり取りが面白くてつい...ふふっ』
笠松『っ...///』
黄瀬『零蘭っち....もうっ!可愛い!!!』
『う"っ!!』
駅の時より強く抱きしめられ、なんかこう...臓器が出そう...
笠松『おいこら離れろ!!死にかけてんぞ!』
黄瀬『ご、ごめん...!』
『..もう馬鹿力』
笠松『んじゃ、外で突っ立ってるのもあれだから中入るぞ』
笠松『つー事で、今日1日マネージャーをしてもらう』
『誠凛高校バスケ部マネージャー、白崎零蘭です。よろしくお願いしますね』
深々と頭を下げると、みんな驚いていたけれど直ぐに笑顔で"お願いします!!"と返してくれた。良かった...いきなり来た他校のマネージャーを受け入れてくれるなんて、良い人達だ。
笠松『だが忘れんな。あくまで見学しに来た客人だ。マネージャー業はこっちから頼んで、それで快く引き受けてくれたんだ。負担の無いように配慮しろ!』
『『『はい!!!!』』』
あらあら、気を使わせちゃった。別に良いのに。まぁ、笠松さん真面目な人だからその心遣いに甘えておきますか
笠松『よし、練習に戻るぞ!!』
笠松さんのかけ声でみんなは散り散りになり、自分達のトレーニングメニューに取り掛かる。
黄瀬『零蘭っち、ドリンクとかタオルとかそういうのは準備済みだし、とりあえずはベンチでゆっくりしてて欲しいっす』
『ん、分かったわ』