白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第3章 ★君がために(赤司)★
だが、そんなことで諦める訳にはいかない。彼女が覚えていなくても俺は覚えている。ここからもう一度、関係を取り戻して、いつの日か思い出してくれたら...いや、思い出さなくてもこれからの俺と過ごしてくれればそれでいい
赤司『謝らなくて良いよ、こちらこそすまない。俺の勘違いだったみたいだ。似た顔と名前の人がいたかもしれないな。それなら、初めまして...俺は赤司征十郎。君と同じ新入生挨拶の生徒の一人だ』
『初めまして赤司くん、私は白崎零蘭。これからよろしくね♪』
握手として差し出した手に、答えるように彼女は握ってくれた。"赤司くん"と呼ばれたことに若干の胸の痛みがあったが、気にしなかった
こうしてまた会えた。それだけでもいい...今度は君を守ってみせる。その笑顔を見たいから...
『征十郎~、次授業移動だよ?早く行こ♪』
緑間『赤司、何をしてる。零蘭を待たせるな』
ハッと彼女と緑間の声で我に返った。いつの間にか授業は終わっていて、クラスが賑やかになっていた
赤司『すまない、ちょっと考え事をしていたようだ』
『珍しいね、授業そっちのけだったもん。何か悩んでる?』
赤司『悩みではないが、少し昔の事を』
『そっか...何かあれば相談乗るよ?私に出来ることは話聞くことだけだし』
赤司『...そんなことないよ、君はいつだって俺を救ってくれている』
昔も今も...
赤司『さぁ、行こうか。零蘭、手を繋いでもいいか?』
『うん、いいよ♪あーでも真太郎に怒られちゃうかも、なーんて』
緑間『....今日のところは見逃してやる』
『ありがとう♪』
そう言って微笑んだ彼女の手を取り、三人で教室を後にした。零蘭はあのときよりも少し変わってしまった。純真無垢だった彼女は今や俺達を虜にして、魅了して、官能的に振る舞う小悪魔となったが、それでも俺の気持ちは変わらない
ただ幸せにしたい。今は側にいられれば、触れられる距離にいれば、それだけで俺は充分だ
赤司『ずっと愛してるよ、零蘭』
偽りない言葉に、またあの日のような笑顔を見せてくれる君へ、永遠の誓いを....