白い小悪魔は誰のもの?~Another story~
第3章 ★君がために(赤司)★
リクエスト+オリジナル
〔赤司征十郎〕
雪のような白く艶やかな肌。触るとその滑らかさと柔らかさが心地よい
その肌よりも白く、まるで神聖じみた髪。そして毛先に色づく夕焼けがまた美しい。開け放たれた窓から吹く風にフワリと揺れ、それに乗って優しい花の香りがするのはきっと気のせいではないだろう
赤く熟れた唇。口付ければさぞ甘いのだろう
スッと通った鼻筋、長い睫毛、そして何より俺の心を動かすのは毛先と同じ色をした二つの美しい瞳。憂いを帯びたその瞳は今、前で行われている授業など耳に入ってないのか、お構いなしに退屈そうに空を見つめている
肘をつき、顎を手のひらに乗せて...普通なら注意を受けるであろうその姿勢も彼女の美しさには、まるで絵画のような魅力すら感じる
隣に座っているのが誇らしく感じるな。こんなに美しい彼女を見ていられるのだから
すると、そんな俺の視線に気がついたのか、空を見つめていた二つの夕焼けがこちらを向いた
『ふふっ、なぁに...?』
面白そうに俺に笑いかける彼女に、どうしようもなく心がざわついた
あぁ...彼女はなんて美しいんだ。その声も、身体も、心も、何もかもが俺を縛り付けて、惹き付けてやまない
そんな彼女は、俺だけでなく学校中の人間を惹き付ける。女子にとっての憧れであり、男にとっての恋の標的。
才色兼備で、誰にでも友好的。カリスマ性もあり、優しく包容力のある彼女なのだから仕方ない。俺達を始めとした複数の男と関係を持っていることも認知させ、それを受け入れさせてしまう魔性には俺でも敵わない
赤司『なんでもないさ。ただ、零蘭が余りにも綺麗だから見つめてしまっただけだ』
『お世辞が上手いのね?初めて会った入学式の時もそんな事言ってたわね』
クスクスと小さく笑う彼女に抱き締めたい気持ちを抑え、そっとその柔らかく小さな手に触れるだけにとどめた。
あぁ、でも君はやはり覚えていないんだな....俺と君はもっと前から出会っていたということに
今も覚えている....あれは、まだ小学生低学年の時、連れられて行った有力者同士の懇親パーティーだった