第3章 ~プール掃除で~
「おまんか。遅刻した奴とは」
そこには仁王くんがいた。
面倒くさそうな顔で、プールサイドからプールの中にいた私に声をかけてきたのだった。
「そうだよ。仁王くんも遅刻?」
「そんな感じじゃ。真田に『お前も遅刻か、仁王!』って言われたんでな・・・ま、その遅刻した奴がおまんだったとは意外じゃ」
あぁ、やっぱり仁王くんも遅刻したんだ。
常習犯だと聞いたけど、本当に常習犯だとは驚いた。
授業はまじめに受けていると聞いていたから・・・数学限定で。
「まぁ・・・初めて遅刻したけど」
「はじ・・・!?おまん、まじめっ子か?」
「まじめの定義が分からないけど・・・授業はちゃんと出てるよ」
「得意科目は!?」
「うーん・・・数学以外は得意だよ?」
プールの掃除なんて忘れていた。
その後、仁王くんとともに風紀委員長の真田くんに怒られた。