第4章 ~入部を決断~
~浅葱ver~
仁王くんと話した後、私は始めてテニス部の部室のドアを開けた。
「遅かったね・・・って、あれ。浅葱さん?」
「はい。浅葱レイです。仁王くんから話は聞いていると思いますが・・・」
「あぁ、マネージャーの件だね。聞いているよ」
一度、真田君の応援に行った時、幸村くんの試合を見たけれど、今とは本当に違う怖い感じだった。
雰囲気ってこんなに変わるものなんだ・・・。
「それで、マネージャーになるのかい?」
「私でよければ」
「よかった。知っていると思うけど、俺たちテニス部にはほかの運動部と違ってマネージャーがいないからね、色々手が回っていなかったんだよ」
「そうなんですか・・・」
同じとわかっていながらも、やっぱり敬語になってしまう。
雰囲気があるというか、あの時見た試合のことを忘れられないのだと思う。
「これからはマネージャーになるんだ。敬語はやめてくれないかな?強制はしないけど」
「じゃぁ・・・徐々に」
「うん。・・・そうだ、これからは連絡手段が必要になるね。浅葱さんの電話番号、教えてくれないか?」