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さくらいろのおと。

第3章 嬉しい秘密





アラームの音で目が覚めて、一番最初に視界に入るのは白。
真っ白で、ふわふわとした2匹。


「おはよう、みみ、ぽん」

朝の挨拶と共に2匹をそっと撫でるとごろごろと鳴る喉。
ゆっくりと身体を起こすと、ご飯をくれと言わんばかりに擦り寄ってくる。

「はいはい、今あげるから」

カラカラという音を立てて落ちていく猫の餌が餌皿を満たしていく。
2匹は、いつもの様にちょこんと並んで待っていた。
急かすことなく待つその姿に、さすがうちの子だ、と他の人が聞いたら軽く呆れられてしまいそうなことを思う。

「はい、どーぞ」

可愛い我が子達の目の前にお皿を置くと、まずはみみがカリカリと小さな音を立てながら咀嚼していく。
一方、ぽんはと言えば、大人しくその姿を眺めていた。
半分くらいを食べた頃だろうか。
みみが、ふっとお皿から顔を上げて餌皿の前から動いた。
すると、待ってましたと言わんばかりにぽんがご飯を頬張る。

「ちゃんとご飯残してあげるし、順番も待てるし。うちの子は本当に賢いなぁ〜」

なんて、呟いて。
今日も親バカを発揮する。

にまにまと上がる口元を両の手で抑えつつ顔を上げると目に映るのは時計。


「…そろそろ行こう」


ギターを背負い、向かうはスタジオ。


今日も素敵な曲が作れますように。
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