第7章 自分の知らない自分
なみside
ゆうちゃんと見送ったあと
私はホテルを飛び出して
新幹線に飛び乗った…
座席に座っている間
溢れてくる涙を人に見られないよう
帽子を目深に被り顔を隠した…
家に着いたときには
もう体も心もくたくたで
電気もつけず
ベッドに体を投げ出しながら
新幹線の中でゆうちゃんからメールが
来ていたけれど
どうしても開く勇気がなくて
見れなかったメールを
暗い部屋の中で開いてみる…
『あほかお前は(笑)
いきなり来て、いきなり帰って
どうしたいねん!!
俺が寂しいやんか(笑)
おると思っておらんかったら
めっちゃ寂しいやんか…?
言いたくないなら
今は何にも聞かへんけど
明日の夜には帰るから
あんま変なことばっかり考えんと
待っとけよ…?』
メールでまで
ゆうちゃんは優しいんだな…(笑)
いっそのこと
"勝手なことばっかりすんな!"
そう怒ってくれたら
私だって少しは楽になれるのに
ゆうちゃんが優しすぎて
その優しさに甘えて
何も見えなくなる自分が
嫌になる…