第4章 素直な気持ちで…
横山side
雨の中を
ただひたすら歩いて…
気が付くと俺は…
なみの家の前に立っていた…
でもその扉を開く
勇気が俺にはない…
ほんまに俺は
どこまでも情けないよなぁ…(笑)
いつから俺の中で
なみの存在がこんなにも
大きくなったんやろ…?
苦しくなるぐらい愛しくて…
他の何者にも変えられへん存在…
あまりに大きくなりすぎて
追い出すことも…
見て見ぬふりをすることも…
上手く出来へん…
そんなことを考えていると
突然なみの部屋の扉が開いて
傘を持ったなみが俺の前に姿を表す…
その澄んだ目で俺を見つめて
俺の気持ちも知らんと
無防備に俺に近付くなみに
どうしようもなく腹が立って
俺の頬に触れるなみを強引に引き寄せ
無理矢理その唇を塞いだ…
もう……
嫌われてもええ………
泣かれてもええ………
"なみに触れたい……"
それだけしか
もう考えられへん…………