第4章 素直な気持ちで…
玄関の扉を開け
一歩外に足を踏み出すと
扉の横でびしょ濡れの姿で立ち尽くす
ゆうちゃんのがいる…
髪からは冷たい水がぽたぽたと落ちて
その体は小さく震えていて…
下を向きうつ向いたままのゆうちゃんに
静かに近付き頬にそっと手で触れると…
ゆらゆらと不安そうに揺れる
ゆうちゃんの瞳が私を見つめて
突然…
その手で私を引き寄せ
私の唇に唇を重ねる…
「ん……っ……ゆう…ちゃ…」
突然強引に塞がれた唇に
驚いて唇を開くと…
開いた唇に更に熱い舌が入り込んで
苦しいほどに口内を犯し続ける…
あまりに激しいキスに
「ゆう……苦し………」
そう途切れ途切れに言葉を吐き出すと
ゆうちゃんはやっと
私の唇からその柔らかい唇を離し
私から目をそらし
また下を向きうつむいてしまう…
横「ほら…やっぱり嫌やろ…(笑)?
俺は……
俺だって…お前が好きやけど…
でも俺の中には
いろんなたくさんの欲望があって…
そういう欲望の全部をお前にぶつけたら
お前に嫌われそうで…
こんなこと考えてる自分が
許されへんねん…
大事にしたいのに…
守りたいのに…
俺の手で
お前を壊してしまいそうで……
怖くて…仕方ない…………」