第3章 溢れだす想い……
横山side
"お兄ちゃんはいらない……"
そんな言葉が聞こえて
後ろを振り返ると
なみの目から
大粒の涙が零れ落ちていて…
涙で濡れるほっぺたに
手を伸ばそうとすると
なみ「触らないでよ……
お願いだからもう…優しくしないでよ…?」
そう言ってなみは俺の手を避け
俺から逃げるように走り出す……
今のこの状況がうまく理解出来なくて
追いかけることも
名前を呼ぶことさえ
出来ずにいると…
松本「だから言ったでしょ…?
逃げずに向き合うべきやって………」
なみの同僚はそう呆れたように言うと
俺の顔をまっすぐに見つめて
更に言葉を続ける…
松本「なみ…ずっと言うてましたよ…?
どんなに頑張っても
あなたに気持ちが伝わらないって…
でもあなたは…
認めんのが怖いだけで
ほんとは全部分かってたんでしょ……?
なみの気持ちも…
自分の気持ちも…。
俺なみには言ってませんけど
本気でなみのことが好きです……。
だから俺がなみにしてやれる
精一杯のことを今回やったつもりです…」