第2章 嘘つきな心
横山side
なみ「ねぇ…どうしたのゆうちゃん…?
ちょっと痛いよ………」
そうなみに言われて
無意識に強く握りしめてた手から
へなへなと力が抜ける…
横「ごめん…ほんまに何でもない…
ちょっと力入れすぎたな(笑)?」
俺はいったい何をしてるんやろ…?
俺じゃない誰かに向けられるなみの笑顔に
無性に腹が立ってしまう…
これがいわゆる
妹をとられる兄の心境…的な
やつなん…?
いつかはそんな日がくると
分かってるはずやのに
予想してた以上に
イライラしてしまう……
そんなことを考えていると
なみの冷たい手が
俺の手をふわりと触れて………
「ゆうちゃん…お腹すかない………(笑)?
何か食べて帰ろうよ(笑)?」
そう言って笑うなみの笑顔を
なぜか誰にも見せたくなくて…
気付くと俺は…………
自分の腕の中に
なみの笑顔を閉じ込めていた………