第2章 嘘つきな心
なみside
相変わらずの
松本くんとのバイトタイム……
「はぁぁぁぁ…………………」
松本「いい加減もう聞きあきたけど…
今度は何のため息なんですかね(笑)?」
「今度はと言うか…
悩みはいつも同じなんだけどね…(笑)
伝えたい気持ちがうまく伝わらなくて…
もどかしくて…歯がゆくて…悲しい………」
松本「その相手って…
時々バイト終わりに迎えに来てる
背の高い色白美男子くん……?」
「色白美男子くん…………?
すごいネーミングセンスだね(笑)
そう…その色白美男子くんはね
私の気持ちに
全然気付いてくれないんだよなぁ…」
松本「ふーん…
じゃあ口で言うだけじゃなくて…
行動でしめしてみたら…?
"んちゅーっ"とかな……(笑)?
そう言って唇を突き出す松本くんの顔が
あまりにもおかしくて
お腹を抱えて笑う私には
松本「その顔やって(笑)
その笑顔があれば…
男なんかイチコロやと思うよ…?
その色白美男子だって…俺だって……」
"俺だって………"
そう言った松本くんの言葉は
いつもの明るすぎる笑顔に隠されて
全く届いていなかった……