第2章 第一話:魔法使いは、樽の中
「あっちだ」
「あっちは崖だぞ」
「だから飛んで来たんだよ。それより、あの女は何者だ?」
「二十八歳で無職のフロイライン山本さんだ」
「何の冗談だよ」
「冗談じゃないからビックリなんだ。この蝶はお前が連れて来たのか?」
「逆だ。こいつらを追って来た。一度ここには戻ってくるつもりだったけどな」
「なぁ真広………」
バァン!
銃声⁉
「真広っ!」
弾が……空中で止まってる!
「当たったら、どうしたんだ?」
「くっ……、不破真広やはり君は"魔法使い"に、会っているのね。答えなさい。君は"黒鉄病"とどう関わっているの?」
まほうつかい?
くろがねびょう?
「あんた政府の人間か?」
「残念ただのボランティア。役人や政治家が"魔法"を信じると思う?答えて!"黒鉄病"の被害者は増え続けている。このままだと日本は滅びかねない!」