第14章 ドクドクだネ?(シトロン)
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少しして部屋の外からノック音。
そっと開けると綺麗なスカイブルーと目があった。
トレーの上には水とゼリーが乗っていた。
「カントク、水、お待ちネ!このゼリーはプレゼントヨ」
「ありがとう、シトロンくん」
「ノープロテイン!カントクのためならこれしきヨ!」
「全く、調子がいいんだから」
「……口移しで、飲ませてあげてもいいヨ」
「えっ」
シトロンくんが私との距離を少しずつ詰める。
スカイブルーが熱っぽく色めいて、綺麗だと思った。
「……ハハ!ジョーダンだヨ!カントク!」
目の前でシトロンくんがいつも通り笑った。
その様を見て、安心半分、残念半分。
でも正直、安心が多かったみたいで大きなため息が出た。
「オー…ソーリー…」
「大丈夫だよ…気にしないで、コッチもごめんね」
「……気にする」
「え?」
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