第14章 ドクドクだネ?(シトロン)
.
いきなりくる、標準語。
真剣な瞳を私に向けて、シトロンくんは続けた。
「ジョーダンじゃ無かったら、カントクは嫌だった?」
「え、っと…」
「……困った顔もキュートヨ。ソーリー、忘れて欲しいネ」
そう言って悲しい顔をした。
そんな、嫌じゃない。
「嫌じゃないよ」
「カントク、気を遣わなくてイーヨ」
「使ってない!じゃなかったらあの時シトロンくんを引き止めてないよ」
それを聞いて、シトロンくんが考え込む。
そしてさっきの出来事を思い出したようでシトロンくんの顔が晴れやかになった。
と、同時に顔が少しずつ赤く色付いた。
「カントク、大胆ネー」
「……シトロンくんほどじゃないよ」
「カントク、好きヨ。愛してる」
「…私は、いつから好きだったんだろう」
「いつだろうと関係ないヨ。気持ちが大事ネ!」
そして1つ、キスを落とされる。
思わず照れたらシトロンくんが優しく微笑む。
お返しに私も、シトロンくんにキスを落とした。
end