第14章 ドクドクだネ?(シトロン)
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次に目が覚めたのは夕方だった。
朝に比べてだいぶ具合も良くなって、喉が渇いたからキッチンまで足を運んだ。
まだ学生組は帰ってきておらず、そこまで騒がしくない談話室にも顔を出す。
「おや、監督くん。具合が悪いそうじゃないか。大丈夫なのかい?」
「お陰様でだいぶ良くなりました」
「ふふん、じゃあ元気になったらカントクくんに詩をプレゼントしようじゃないか!」
「……遠慮しておきます」
なんて話を誉さんとしていたら
密さんとシトロンくんがやってきた。
「オー、カントク!具合もういいネ?」
「うん、お陰様で」
「………ゆっくり休んでね」
「密さんもありがとうごさいます」
「カントク、水欲しいネ?」
「そうだけど、どうし「ワタシが持っていくヨ!」」
「ハハハ!監督くん。彼に任せたらどうだい?女性はもっと、男に甘えるべきだよ」
さっきの今だし、とっても気まずいけど
誉さんの言う通り今日くらいは甘えてもいいかな。
そう思って、シトロンくんに水をお願いして私は先に部屋へ戻った。
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