第9章 君と乾杯。(有栖川誉)
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「密くん、東さん、いい大人なんだから1人で歩きたまえ!」
「…アリス…ふらふらしてる…」
「なに!?力はあまりないのだよ!」
「まあまあ…俺も手伝いますから…」
「ごめん紬、寄りかかるね…」
「この2人は結局寝てたもんな…何しに来たんだ」
「良いんだ丞、俺が冬組でも打ち上げしたいって言ったんだから」
少しだけ遠くから5人を見る。
正直、全く共通点がなくて一緒にいるのが不思議な感じがする。
勿論そんなのは私の勝手な考え。
同じ舞台で、同じ作品を仕上げる。
これだけで充分なのだ。
寮に着いて、各自部屋に戻った。
誉さん飲み直すって言ってたけど、もう談話室にいるのかな?
早く行った方が良いんだろうか…
そんな事を考えてたら、ドアからノック音がした。
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