第8章 テンアゲうれピコ!(三好一成)
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かなり、一成くんを見直していたら
一成くんのクラスのお友達とすれ違った。
「お、カズくんお疲れ〜!隣の可愛い人って前言ってた彼女?」
「おつピコ!そうだよ、かなりイケてるっしょ?」
「お似合いじゃん!あ、彼女さん、カズくんこんなんでも絵は上手いわ成績は優秀だわでハイスペックだから!」
「さっき日本画みて、かなり見直したところです!」
一成くんはほっぺを膨らませてたけど、お友達は笑う。
私達を気遣ったのか、お友達はじゃあまたなって手を振って教室を出ていった。
「カズくんって呼ばれてるんだね」
「んー、たしかにそう言われてるかも?」
「……私もカズくんって呼ぼうかな、なーんて?」
「えっ」
「あ…ごめん、良い歳して恥ずかしいね…」
「なわけ!カントクちゃん、呼んでみて?」
ずい、っと一成くんの顔が近くなる。
いつも名前で言ってるから、いざそうなると恥ずかしい。
中々言わないでいるからか、一成くんがソワソワし始めた。
うーん、ここは恥を捨てなきゃ!
「か、カズくん……」
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