第16章 人は見かけによらない(皆木綴)
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目が覚めて、ふと外を見たらまだ暗かった。
時計を見ると3時過ぎ。
隣で寝ている彼は幸せそうでスヤスヤ寝ていた。
台本を貰う前のクマがついてるげっそり綴くんは
そこにはいなかった。
ちゃんと寝られてる、安心安全。
好奇心で頬をつんつんしてみる。
柔らかく吸い付く様な肌は私を嫉妬させるには充分だった。
なんて、ズルい肌なんだろう!
そう思って、両頬をむにむにしなければよかった。
「………いづみさん……俺起きちゃったんすけど、何してんすか?」
その眼はさっきの最中の眼と一緒だった。
私はきっと、漫画でいう、汗がダラダラ垂れている描写になっているはずだ。
「…いづみさん、こっち来てほしいすけど」
第2回戦の始まりだった。
next…?