第16章 人は見かけによらない(皆木綴)
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「いづみさん…俺、イキそ…」
はあはあと色っぽい息遣いで
限界が近いらしいことを告げられる。
求められるキスは肉食動物に貪られる様な、激しいものだった。
内側から、ゾワゾワとした感覚に襲われて
急に怖くなって綴くんにしっかり抱きついた。
彼は一瞬キョトンとしていたけど、すぐ察してくれたみたいで
優しく笑って抱きしめ返してくれた。
「…いづみさん、」
「つづるくん、ッ、あ、ぁあぁぁ♡♡」
私の名前を言った後に、なにかを言っていた気がしたけど
うまく聞き取ることが出来ないまま、私はそのまま眠ってしまった。
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