第7章 愛してるから-届いたこの手を離さぬように-
次に目が覚めてから、僕は変わった。
すぐに佐奈を無理矢理抱くなんて、もうしない。
まあ、大好きだから、欲しい気持ちは変わらないけど、そこは我慢だ。
まずは色々しすぎて(僕が…だけど)ぐちゃぐちゃなベッドをどうにかして。
昨日まで(僕のせいで)ほったらかしだった家の中も何日かぶりに掃除した。
あ、でも、佐奈はちょっと、上手く動けそうになかったから(これももちろん僕のせいでね)、僕一人で頑張って。
その後は二人でゆっくり、いつも通りの生活に戻ったんだけど。
でも…変わったことも、もちろんある。
それはやっぱり…ほら、恋人同士がすること……。
夜のベッドの上で…なんてのはもちろん。
他には…食事中に佐奈を膝に乗せて、っていうのは、やっぱり良くないから、したいけど…自粛。
だって、あれは佐奈の負担になりそうだし、座った僕の上に佐奈を乗せてっていうなら、ベッドでもできるし…ね。
ああ、けど、バスルームでするのは、まだちょっと、やめられそうにない。
佐奈は駄目って言うけど……。
「あ、当たり前でしょ!それに、二人が帰ってきたら…そんなこと…っ」
あと一週間もすれば、煉と厳の二人が帰ってくる。
それなのに、こんなこと…って、佐奈は真っ赤になって腕を突っ張るんだ。
確かに、二人がいるのに、それは確かに良くない…かもしれない。
ふーん、って納得したように見せて、僕はバスルームにいる佐奈に手を伸ばした。