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擬人カレシ~白兎・三人目の生徒編◆裏◆~

第6章 好きだから-あなたの心に届きますように-


それって、成体になったばっかりなのにするの?って単純な質問にも聞こえるけど。
違うようにも聞こえたんだ。
僕、結構勘が良いんだよね。
特に、佐奈に関しては、すごく。

で、今の佐奈の台詞から感じたのってさ、成体前の僕だったから、あんな風に襲っちゃうくらいに佐奈が好きで好きで、どうしようもなかったけど。
成体になった僕もそうなの?って、そんな風にも聞こえた…気がした。

ねえ、それって、成体になったら僕の気持ちが落ち着いて醒めちゃうかもとか、思ってたりするの?
ありえないよ。
それに、そんなだったら、キスしたいとか、抱きたいなんて、言うわけないだろう?
納得いかなくて、僕は佐奈の胸に、ちゅ、とわざと音を立ててキスした。

「ひゃっ」

途端にそんな声が上がって、佐奈がびく、って跳ねる。
だけど僕は構わずに、佐奈の肩に顔を埋めた。
そうすると、また佐奈がびくっ、てするけど、離れない。

「僕が子供だったから、佐奈を欲しがった…って、そう思ってるの?」
「ちが…ぅ、けど…っ」

ぺろ、と首筋を舐めれば、佐奈の声が震える。
生徒だから、子供だから…そして今は、成体になったから……?
そんなの、全然関係ない。
僕は僕だ。
ああ、だけど…変わったことなら、確かにあるかもしれないね。

「確かに、昨日までの僕と…成体になった今と、変わったことはあるかな」
「………ぇ」

一瞬、佐奈の声が不安そうになる。
そんな必要、何処にもないのに。
だから僕は、すぐに佐奈の耳に直接口を寄せた。

「昨日までより…今の方がずっと佐奈が好きだよ……」

今までは、時々抜けてたり、ドジだったりしても、それでも先生であろうとしてた。
成体前の僕の前では特に、大人でいようとしてたよね。
でも今日は…今は違う。
それだって、元は僕のせいなんだけど。
だけど、泣いて怒って、本音を言ってくれたのが、すごく嬉しくて幸せで、可愛くて…愛しくて。
ただ『好き』って気持ちでいっぱいだった僕の中に、守ってあげたいって心が生まれた。

「ねえ、だから…これからもいろんな佐奈を見せて?」

強請るように、僕は佐奈の耳に声を吹き込む。
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