第6章 好きだから-あなたの心に届きますように-
「ごめん…ごめんなさい……」
体ばっかり大きくなって、でもまだ心は成体になりきれなくて、僕は子供みたいに謝った。
そうしたら、ぺち、って、ちょっとだけ、佐奈の掌が僕の頬を本当にちょっとだけ、軽く叩いて。
そのまま佐奈を見ていたら、佐奈が…何か言いにくそうにしながら、呟いた。
「あんなの…いけないことだけど……」
「え?」
「あ、あんなの、本当にいけないことなんだよ!?それは…絶対なんだけど、でも…あのことがなかったら…私……」
きっと最後まで、自分の気持ちに気づかないままだったかもしれない、って言いながら、佐奈は僕から少しだけ目を反らした。
それから、恥ずかしそうに佐奈は小さい呟きを零したけど、僕の耳には、ちゃんと聞こえた。
「瑠衣が…好き……」
そうやって呟いて、佐奈が両手で自分の顔を隠しちゃうのが、すごく可愛い。
もしかして…っていうより、多分……。
だから途中から、佐奈は抵抗しなくなったのかもしれないって、僕は気が付いた。
僕から逃げられないって諦めたんじゃ、なくて……。
手の隙間から見える佐奈の頬が赤いのが分かる。
可愛い。
可愛すぎるよ。
「………っ」
途端に身体が疼いて、まずいって思った時には遅かった。
だって僕は裸で…佐奈も、そうで。
さっきからずっと、僕は佐奈をベッドに押し倒してて……。
けど、佐奈の気持ちが分かったからって、すぐにまたって…それはやっぱりダメ…なんじゃ……。
もしかしたら、ちょっとだけ大人になってきたのかもしれない僕の理性(?)が、頭の中でそんなことを言ってくるけど。
「佐奈……」
顔を隠してる佐奈の手にキスしたら、びく、って震えて、手が解ける。
中から現れた佐奈の顔はまだ真っ赤で、僕はそっと、佐奈のおでこにキスをした。
「大好きだよ…佐奈……。もちろん、佐奈にじゃれてた時とは全然違う意味で」
「瑠衣……」
「キス…しても良い?」
「……ぅん」
「…佐奈を抱いても…良い?」
「……っ!ぁ、え…と、成体になって…も?」
「え?」
言われて、僕はきょとん、とした。