第3章 好きだから-食悦-
もちろん僕も裸のままだ。
だって行き先はベッドなんだし、これから続きをするんだから、邪魔な服なんていらない。
お姫様抱っこっていうんだっけ、そうやって佐奈を抱き上げても、佐奈はもう僕にしがみついてくれない。
さっきあんなにしがみついてきたのは、椅子の上だからだったのと、滅茶苦茶乱れた最中だったから。
でもそれが過ぎれば、佐奈は自分から僕に触ろうとはしない。
そうだよね、当たり前…だよね。
無理矢理に何度も何度も抱いて。
そんな僕に、佐奈が自分から抱きついてくれるなんて…無理だよね。
こうなるって…知ってた。
強引に体だけ手に入れたって、気持ちはそうはならないってことくらい、ちゃんと知ってた。
だけど…それでも、このやり方を僕は選んだんだ。
後悔なんてしてないよ。
佐奈に憎まれても恨まれても良い。
佐奈には言い訳しないよ。
悪いのは僕。
全部、僕のせいってちゃんと分かってるんだ。
だけど、分かってる…けど。
だからって、やめたりしないよ…佐奈……。
僕の部屋…ベッドはすぐそこ。
到着したそこに佐奈を下ろしながら、僕もそのままベッドに飛び込んだ。