第3章 好きだから-食悦-
本当はそれで終わるつもりだった。
どうにも耐えられなかったから、一度だけここでイッたら…って。
その後はちゃんとベッドでって、思ってたのに。
「く……っ」
駄目だ。全然治まらないし、落ち着かない。
一度イッたのに、佐奈のナカに居座ったまま、僕の熱がどんどん集まってくる。
止まらない。
止められないよ、佐奈。
ここでするのは一度だけって思ってたのに。
ここじゃ佐奈にもきついだろうから駄目だって、今も思ってるのに。
自分で自分が押さえられない。
気がついたら無意識に佐奈を突き上げて突き上げて…突き上げて。
喘ぎながらしなる身体を抱きしめながら、僕の全身が佐奈を感じて喜んでる。
じゅぷじゅぷ鳴る音と佐奈の啼き声だけが僕を満たして、他なんて気にならない。
時々、がたがたうるさい椅子の音が耳に入ってくるけど、そんなのどうでも良い。
ああでも、あんまり激しくしたら、この椅子、壊れちゃうかな。
そんなことも頭の隅にちょっとだけ浮かんだけど、やっぱりすぐにどうでも良くなる。
佐奈を感じる以上のことなんて、何があるっていうんだろう?
「はっ…佐奈…っ。佐奈…!」
二度目の絶頂に、僕は息を詰めた。
佐奈は僕の上で、とっくに何度もイッてて、僕にしがみついてるのが精一杯みたいだ。
「ぁ…ぁっ。る…ぃっ」
悶えながら僕を呼ぶ声が可愛い。
堪らなくて、僕はまた佐奈を膝の上で揺さぶった。
結局、僕は椅子の上で二度…佐奈のナカでイッた。
まだ足りないけど、ここではさすがにもう駄目だ。
そう考えて、佐奈のナカからずる、と自分を引き抜く。
「んぁっ」
揺れる度に、佐奈が甘い声を洩らす。
ああ、もう。
そんな声出されたら、またこのまましたくなっちゃうよ。
でも…駄目。
ここじゃ、ダメ。
僕は必死に自分を押し留める。
とにかく、ここではもうダメだ。
佐奈の負担になりすぎる…って、とっくに色々してるけど。
でも一応そういう風に考えられるくらいには、僕も少しは落ち着いた…のかな。
けど足りないのは変わらない。
全然足りないよ、佐奈。
まだ昼間とか、時間なんて関係ない。
僕は裸の佐奈を抱き上げた。