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擬人カレシ~白兎・三人目の生徒編◆裏◆~

第3章 好きだから-食悦-


あの様子じゃ佐奈はまだまだ目が覚めないだろうから、その間に僕は朝ご飯の支度でもしておこう。
佐奈が起きたら、すぐに食べれるように。
それで、ご飯を食べたら……。

朝とか昼とか、時間なんて関係ない。
僕はいつだって佐奈が欲しいんだから、何がしたいか、なんて当たり前に浮かぶことを想像して、僕はキッチンに向かった。
それから…ご飯の支度も終わって、ちょっとリビングでテレビを見たり、だらだらと時間を潰してみたけど。
それでも、佐奈が起きてくる気配がない。

例の完全防音のせいで、中の気配なんてほとんど分かんないんだけど、でも何となく…佐奈はまだ寝てる、気がする。
無理させちゃった自覚はあるし。
何より、無理矢理…だったし。
だけど……。
傍に佐奈がいないと何をしてもつまらなくて、僕は一人きりの朝食を適当に切り上げると、そのまま自分の部屋に行ってみた。
ドアを開ければ、すぐ見えるベッド……。

「佐奈……」

佐奈が…眠ってた。
それにしても、ベッドがぐちゃぐちゃ…というか、もう凄いことになってる。
まあ全部、僕のせいなんだけど。
佐奈が起きたら、シーツも変えないと。
だって、すぐにまた使うんだから……。

無意識の内に佐奈を抱くことばっかり考えてる自分に気づいて、僕は苦笑いした。
ほんの昨日までは、どんなに佐奈が好きで…色々想像しちゃっても、これほどじゃなかったのにな。
僕はベッドの縁に座って、そっと佐奈の寝顔を覗き込んだ。
じっと…じーっと、見つめる。
どれくらいそうしてたか自覚もないけど、いつまでそうしてても飽きない。

「佐奈……」

ずっと、ずっと見つめていたい。
見つめられたい。
触れたい。
抱きたい。
溶け合いたい。
ねえ、だから早く起きて?

そんな僕の願いが叶ったのは、時計の針がもうじき昼になろうっていう頃だった。

「ん……」

寝ぼけ眼で目を擦る佐奈は、そのまま押し倒したいくらい凶悪に可愛い。
僕の佐奈……。
昨夜、やっと手に入れた。
手が届いた。
だけど……。
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