第11章 In Rome, as the Romans do.
今年、ようやく1人暮らしを許して
もらえるようになって会社から数分の
マンションに引っ越して
まだ片付いていないダンボール箱が
そのまま残っている。
肩に知念を背負いながら肘で電気を
つける。
『…たく。 お前はなんなんだよ。』
ー ドサ~ ー
1人つぶやきながら、自分のベッド
に投げるように下ろした。
『う~… 和くん。 水…
水ください。』
ったく。
和くん和くん…。
『はいはい。 吐くなよ。
すげーいいベッドなんだからな。』
ホスト時代にオーダーメイドして
買った高級ベッド。
『大丈夫っすよ~。 そんなに酔って
ませんから~』