第6章 the act of walking on a road
『どうしたんですか?』
俺はオーナーの横に腰を下ろした。
『和也、お前確か家出してきて、
一切連絡もしてないんだよな?』
『え…。 はい…。
もしかして、俺がここで働いてるのが
ばれたんですか?』
『ああ。 実は、先日お前の兄だって
言う男が来てな。
まぁ。その日は言いくるめて帰って
もらったんだけど、また今日も来て
るんだ。
お前が話するつもりもないって言うなら
もちろん協力するけど、
もし、話す気があるならきちんと話つけた
方がいいと思ってるんだ。』
俺は、しばらく考えて無言になる。
『……分かりました。
一度、話してみます……。』
俺は、静かにそう言うと、立ち上がり
兄が待っているというファミレスへと
向かった。